第136回 C-NET ひたち 俳句会を開催

 残暑お見舞い申し上げます。
高校野球、オリンピック、お盆も過ぎて何かと落ち着かない毎日でした。計画していた吟行も皆の都合で中止。台風9号が関東を通過しました。強い風雨、被害はなかったでしょうか?また次が来るようです。注意してお過ごしください。
C-NETひたちの夏の交流会が8月8日、約30名の参加により盛大に開催されました。幹事、事務局のみなさんには大変お世話になりました。
「夏の交流会 バーベキュー」の様子、笑顔溢れるお写真のホームページ掲載有難う御座いました。

8月の句会

  • 日 時 :8月17日(水)13:00~16:00 句会
  • 場 所 : NPO法人コミュニティNETひたち多賀事務所

小野先生の講話

  今月は「8月15日の敗戦日(終戦日)と俳句について」のお話しでした。

  1. 八月の大きな暗い穴の奥  鈴木 六林男
    大正8年9月28日、大阪府泉北郡生。17歳から俳句を始め、「京大俳句」に投句、西東三鬼に師事した。戦時中は中国、フィリピンを転戦、現代俳句大賞受賞。
    8月と言えば、広島、長崎の原爆、そして敗戦。昭和二十年という「大きな暗い穴の奥」に象徴される顔、民族がかつて経験したことのないほどの巨大な空虚感をもたらした八月を、大きく深くとらえている。事実の重さに、ただ頭を垂れるばかり。
  2. ぬれ縁のとことん乾く敗戦日  宇多 喜代子
    昭和10年10月15日 生。現代俳句協会特別 顧問。
    頭上を照りつけるあの日の容赦ない太陽。じりじりと灼けつく暑さの感覚。「とことん乾く」は涙も出ない巨大なショックそのもの、日本全土が乾き切った有り様をぬれ縁に具象化した。
  3. あやまちはくりかえします秋の暮  三橋 敏雄
    大正9年11月8日生、実践商業学校夜間部を卒業。召集を受け入団。戦後は事務長として日本丸、海王丸などに勤務した。
    「あやまちはくりかえしません」という広島の平和の誓いをこのようなもじりで言っている。強い反戦思想を表明した大胆な発想。「歴史は繰り返す」格言の俳句版。
  4. 大和よりヨモツヒラサカスミレサク  川崎 展宏
    昭和2年1月16日生。加藤楸邨(しゅうそん)に師事し,「寒雷」同人 。昭和45年「杉」創刊に参加  読売文学賞、各俳句誌をはじめ朝日俳壇の選者やNHK俳句王国の主宰などとメディアで活躍 82歳歿
    戦艦大和が、およそ三千の命とともにアメリカ機の攻撃を受けて沈没した。
    ヨモツヒラサカは黄泉の国と現世との境にあると言われる坂。現世へ向けて発信した一通の打電文がカタカナの部分である。
  5. 前へ進め前へ進めと帰らざる (無季) 西村 和子
    横浜市生。慶應義塾大学文学部国文学科を卒業。1966年、大学入学と同時に「慶大俳句」に入会し、清崎敏郎に師事。俳人協会賞他を受賞。


第136回C-Netひたち俳句会結果

小野さとし先生選

特選 俳句もて不戦を説きし生身魂 芳 洲
思い出の詰まるソロバン虫干しす 源 一
道の駅人波寄せる青田風
民主主義にも時に不都合戻り梅雨 仁 志
盆の旅真田ゆかりの上田城 興 洋
わんこそば家族で競ふ夏休み 典 男
短夜や同窓会の切りもなし
筆あとを露(あらは)にとどむ星今宵 光 夫
ふるさとの父母の声あり早稲の風 キミ子

文責 櫻井 キミ子

【 俳句会リーダー   櫻井 キミ子 】
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