第140回 C-NET ひたち 俳句会を開催

 年の瀬も押し詰まり何かとお忙しい日々をお過ごしのことと存じます。
なかなか落ち着いて話をする時間もありませんでしたので、12月21日は句会前に昼食会をしながらお話合いの時間を持ちました。メンバーの中には転居された方、ご他界された方もいらっしゃいます。間もなくC-Netひたち発足15周年を迎えます。「100回合同記念句集」の出版、10周年の色紙額装展示等、すぎてからの時間の流れの速さに驚いています。今年も1月から12月までの句会を無事開催できたことを嬉しく思います。平成29年4月に設立15周年記念行事を行う予定だそうです。
10周年の時と同様に俳句の掲示(各人3句)の予定、今から楽しみにしております。
どうぞ良いお年をお迎えください。来年も宜しくお願いします。

12月の句会

  • 日 時 :12月21日(水)13:00~16:00 句会
  • 場 所 : NPO法人コミュニティNETひたち多賀事務所

小野先生の講話

  今月は俳句結社「対岸」今瀬剛一主宰、三十周年記念行事がホテル椿山荘東京で行われました。三十周年記念特別寄稿号が「対岸」誌10月号に出ました。今瀬剛一主宰80歳は俳句協会の副会長を務め真面目でクリアーに物事に対自している。句集8冊上梓、その他。

三十周年記念特別寄稿より

1
・桜散る散る一片もふれあはず   今瀬 剛一  (茨木 和夫 鑑賞)
 桜散る散るの語の畳み掛けが落花を鮮明にしている。
 我々の胸にすーっと入ってくる。俳句は良く観て自然と同化するように詠む。
 この句は花びらと同化したように詠 まれている。主宰は 誠実、温厚な人。
 平明にして深い句を作れと言われている
・咲き満ちてなほ咲く桜押しあへる  今瀬 剛一
・満開の桜の上に桜咲く      今瀬 剛一
2.
・雪嶺の裏側まつかかも知れぬ  今瀬 剛一 (大石 悦子 鑑賞)
 断定をしていない。不確実性なものを持ったもの断定を嫌うこともある。
「どうですかね」と同意を求めているような対話のニュアンス。
 誠実温厚で人望の厚い方である。平明な言葉で、深く暖かい滋味あふれる句を
 詠まれる。
3.
・対岸のこがらしは母呼ぶ声か  今瀬 剛一  (岡田 日朗 鑑賞)
 作者の慟哭、岡田日朗は(3ページに及ぶ論を書いている)
4.
・紅梅は水戸の血の色咲きにけり  今瀬 剛一 (栗田 やすし 鑑賞)
 水戸っぽ(理屈っぽい、怒りっぽい、骨っぽい)
 なんと潔い断定である、1句の中へ吐き出している。
5.
・しっかりと見ておけと瀧凍りけり  今瀬 剛一 (佐臥 直美 鑑賞)
 瀧になりきり同化してをりよく見ておけという。
 瀧の真実の叫びが聞えてくる。己の生き様を見せている。
・凍瀧が吾が目あふれ空にあふれ  今瀬 剛一 
 余すところなく凝視する。真実を見る。
 俳句は詩である。昔の俳句ではなく詩をとり入れた句。
 俳句の新しさ感動を新しくする。

第140回C-Netひたち俳句会結果

小野さとし先生選

特選 詩舞剣舞ありてめでたき年忘れ 芳 洲
山間の闇深々と冬銀河 キミ子
月冴ゆる男料理の仕上りぬ 興 洋
年賀状へ一句を添へて書き終へり 典 男
柿剥きの余尺を競ひ老夫婦
柚子十個それぞれ躍る長湯かな 源 一
懸け大根火の見櫓の残る街 光 夫
旅立ちの芭蕉の像や冬入日
銀杏黄葉ひよことなりて車追ふ 仁 志

文責 櫻井 キミ子

【 俳句会リーダー   櫻井 キミ子 】
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