第130回 C-NET ひたち 俳句会を開催

 2月7日大子で行われた「第32回全国氷瀑俳句大会」に参加してきました。朝からきれいな青空が広がり冬晴れの良い日でした。袋田の瀧は日本三名瀑の一つと数えられ、高さ120m、幅73mという大瀑布は四段に落ちることから別名「四度の瀧」とも呼ばれ、多くの文人墨客が訪れ、それぞれに和歌や俳句、漢詩を残しています。道路の一部には雪が残っておりましたが、今日の瀧は真ん中の岩に凍りが少し有るだけで、水が流れておりました。
 事前投句は一般の部1001句、小中学生の部1262句でした。小中学生の部の投句が増えたことは喜ばしいことです。との挨拶がありました。
今回は「対岸」主宰 今瀬剛一先生の「俳句の還暦」の講演がありました。

今瀬剛一特選  事前投句

  • 舞上がる木の葉の高さ四度の瀧  松岡 路石
  • 衝立の向かうも同じ牡丹鍋    平野 暢行
  • 瀧芯まで氷りましたと観光課   植木 緑愁
今瀬剛一特選  当日投句
  • 滝壺の大き口開け雪の朝     武田 絋江

2月の句会

  • 日 時 : 2月17日(水)13:00~16:00 句会
  • 場 所 : NPO法人コミュニティNETひたち多賀事務所

小野先生の講話

今月は「省略について」 外山 滋比古(英文学者)のお話しでした。
省略の文學の中で俳句らしさはぎりぎり削り落された表現を圧縮して、言葉を並置したときに生まれる激しいエネルギーを秘めた小世界にある、と述べています。また日本の詩歌はヨーロッパの詩と比較してみると、さほど重要でない部分をどしどし剃り落すことによってネガティブな美しさを追求する芸術であるとも指摘している。俳句を読みなれない読者にとって一番障害になるのは俳句を散文として同じ感覚で読解しょうとするところではないでしょうか。
俳句は有季、(季語)定型(5、7、5)の17文節を原則とする詩である。
読むと難しい、解らなくなる。伝達情報に制約がある。散文に比べると伝達情報の容量には極めて厳しい制約がかかっています。

 例句(次の俳句を散文で表現してみましょう)合評。
  • 軍装の父の写真や霾ふれり    石嶌  岳
  • 身ふたつのなんの淋しさ冬麗   辻 美奈子
 

129回C-Netひたち俳句会結果

小野さとし先生選

特選 八方に音響かせて冬の瀧 キミ子
しあはせの形さまざま日向ぼこ 光 夫
戦友と言へる妻なり冬の旅 典 男
終電の家路仰ぎてオリオン座
咲き初めし緋寒桜や海の町 興 洋
寒月の犬の遠吠えありにけり
登校日小走り阻む春一番 芳 洲
三叉路の田舎道なり陽炎ひぬ 仁 志
余寒かな寒暖激しきのうきょう 源 一

文責 櫻井 キミ子

【 俳句会リーダー   櫻井 キミ子 】
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