今回は本年最後の句会となりました。
最初に8月に逝去された当会の句会の主宰鈴木信行先生を偲び、そして各自が今年一番思い入れの深い下記の句を持ち寄って懇談をしました。
・塗椀も味も家伝の雑煮かな 芳洲
・いつからか子が子にあらずお正月 仁志
・百段の雛のひとつに涙あり 典男
・靴届く歩け歩けと八十の春 キミ子
・桜の実足裏ぷちと散歩かな 興洋
・独り居の義兄を送るや梅雨晴間 孝
・花は葉に作句苦しむ余生かな 光夫
・老犬と筑波に向かい雪晴て 正
◆ 互選 合評 ◆ 選句の結果の高得点順に掲載
初霜や葉脈白き八つ手の葉 | 興 洋 |
早や師走もっとスローに暮らせぬか | 典 男 |
時雨るるや空家あちこち古団地 | 芳 洲 |
太平洋鏡となりて寒月を | 光 夫 |
からころと波のごとくに落葉とぶ | キミ子 |
また一人同期を亡くし八十の秋 | 孝 |
今年また路地に人寄す冬桜 | 仁 志 |
老犬と足がもつれて年の暮 | 正 |
一年間大変ご苦労様でした。
来年も皆様のご健吟を祈念致します。
どうぞよいお年をお迎えください。
文責 内田 芳勲