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第63回 C-Netひたち 俳句会を開催
第63回 C-Netひたち俳句会
 7月9日いわき市川部町の四時ダム、田人の千樹の森へ俳句仲間と吟行して来ました。
 四時ダムは、阿武隈山系朝日山を水源とする鮫川の支流のダム。天然鮎の溯上する清流でいわき市の水道水源であり、下のダムでは発電も行っています。千樹の森は個人の篤志家が第二の人生で山を買い自分で切り開き建設したユートピア。車がやっと通れる道を延々と走って森の中の自然の異空間に到着。駐車場からレストランまでは束の間の散策、森の中でポッカリ抜けた空、耳鳴りがするほど音の無い空間、鳥の声・虫の羽音・風の音だけの世界です。
 森の中ただ一軒の煉瓦造りのレストランは不気味と言えば不気味でした。途中案内板を読みつ進み、いざ玄関に入っても誰も出て来ないのです。宮沢賢治の『注文の多い料理店』のようでした・・・。

7月の句会
・ 日時:7月21日(水)14:00~17:00  
・ 場所:NPO法人 コミュニティNETひたち多賀事務所
    
小野先生の講話
 今月は「俳句は引き算」のお話でした。俳句は感動を引き立たせる為に、引き算をする。つまり省略です。後で加算、これは余韻余情です。句を読んだあとじーんと胸に来る。
 読者が読んだ時に生れる余韻余情です。
 1)我、私、作者自身は省略
 2)用言は動詞,形容動詞は使わないようにする。
 3) 時間の経過を省略する。ある瞬間を詠む。

 例句   夏草や兵ものどもが夢の跡   芭蕉

 人気のないところに、今はただ夏草だけが生い茂るばかりだ、ここはかつて優れた忠義な家来たちが高館にこもり功名を競ったが、それも一時の夢と消え、今では草が生い茂るばかりだ。現在と歴史的背景。
 次の句を読み鑑賞してください。

 例句   軍装の父の写真や霾れり   石嶌 岳

(霾れり=「つちふれり」と読む。霾(ばい):土の降るさま。特に中国北部などで、風が微粉状の黄土を吹き上げ、天空が黄色になる現象。春の季語【広辞苑】、「黄砂降る」もよく詠まれます。黄砂(こうさ)も春の季語です。・・・リーダー注記)


第63回C-Netひたち俳句会結果

 小野さとし先生選
               
特選 緑射す一刀彫りの親子鷹 キミ子  
梅雨晴れ間千手ケ浜の九輪草
興 洋  
ジンジャー咲く日本語上手な牧師さん 斐紗子  
柿青きままに落ちたり日暮れかな 要四郎  
花しょうぶ金色堂は遥かなり  
梅雨晴や苔よぎる風瑞巌寺   
鱶並ぶ鰭は剥がれて夏の市 芳 洲  
見えるものみな押し黙る梅雨しとど 光 夫  
ざわざわと見渡す限りビール園 典 男  
振りかえるふっとひとひら夏椿  良 佳  
  
                               俳句会リーダー 桜井キミ子記

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